請負代金の支払請求

はじめに

建築工事の終了後に、建築業者と施主(発注者)との間で、請負代金の支払を巡り、トラブルになることがあります。 こうした場合、建築請負契約の内容や、工事完成の有無が争われたり、また、施主から工事の瑕疵の主張がなされたりすることによって、紛争が複雑化するおそれがあります。 また、元請負業者から下請業者、孫請業者と多段階にわたって請負契約が締結され、複数の建築業者が工事に関与している場合などには、特にトラブルになることが多いと思われます。

このような場合には、建築業者の方としては、弁護士に請負代金の回収を依頼することで、迅速な回収を図ることができるというメリットがあると思われます。 また、建築業者から請負代金を請求されている施主の方としては、弁護士に業者との交渉や訴訟対応を依頼する事で、法的に適正な範囲内での代金の支払いをすることが可能となるというメリットがあるかと思われます。

建築工事請負代金請求のポイント

建築請負工事の請負代金請求の要件

建築請負契約は、民法上、請負人(建築業者)が仕事の完成(建物の完成)を約し、注文主(施主)が代金の支払いを約することにより成立するとされています。 また、請負契約の報酬の発生時期については、契約に特段の定めがない場合には、仕事の完成(建物の完成)時であると解されています。 したがって、請負業者から施主に対して請負代金を請求するための要件は、(1)建築請負契約の成立、(2)仕事の完成、ということになります。

建築請負契約の成立について

建築請負契約の成立の要件としては、(ア)請負契約の当事者、(イ)請負契約締結年月日、(ウ)工事の内容、(エ)報酬額などの要素が特定されて合意されていることが必要となります。 なお、建設業法19条では、建築請負契約については契約書を作成しなければならないと規定されておりますが、同規定については、建築紛争を防止する目的で規定された注意規定であると理解されているため、当事者の合意の成立が認められれば、書面が作成されていない場合であっても、建築請負契約の成立は認められます。

上記のうち、(ウ)工事の内容については、建物請負工事ならば、一般に、建物の表示登記に要求される程度の所在・種類・構造・床面積等が特定されていれば足りると解されています。

また、(エ)報酬額については、建築請負契約の場合、定額方式、概算方式、実費精算方式、単価方式など種々の代金額の定め方があります。 この点、裁判例では、請負契約締結時に具体的金額が未定のまま締結された請負契約も、注文者が代金を支払うこと自体の合意が認められれば、請負契約の有効性自体には影響はないと解されています。

仕事の完成について

建築請負契約における仕事が完成したか否かの判断基準は、実務上、請負契約において予定されていた工程が終了したか否かにより判断されます。

すなわち、工事が途中で中断し、予定されていた最後の工程が終了していない場合には、工事は未完成であり、注文者に対して請負代金を請求することができません。 この場合、法律的は債務不履行の問題となり、注文者から請負人に対して、債務不履行に基づく損害賠償や契約の解除が主張される場合があります。

一方、予定された最後の工程まで一応終了し、ただそれが不完全なため修補を加えなければ完全なものとはならない場合には、仕事は完成したが仕事の目的物に瑕疵があることになります。 この場合、法律上は瑕疵担保責任の問題となり、請負人は注文者に対して請負代金の支払いを請求することができますが、注文者から、瑕疵の修補や、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求、請負代金請求権と損害賠償請求権との相殺などを主張される場合などがあります。

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