日照トラブル

はじめに

近隣土地に高層建物が建築されることにより、自己の建物への日照が遮られるということがあります。
建物の日照に関しては、行政法規上、及び、民事法上において一定の保護が与えられており、日照阻害の程度が著しい場合などには、日照阻害を生じさせる加害建物の建築主や施工者を相手方として、差し止め請求や損害賠償請求を行うことが出来る場合があります。

日照トラブルの対応方法

1 行政法上の対応

建築基準法では、日影規制や北側斜線規制等を規定しており、これらの規制によって、近隣建物の日照を保護しています。
これらの規制の遵守の有無は、建築確認申請における確認手続、中間検査、完了検査等の検査時にチェックされています。

上記の建築基準法上の規制に違反して建築確認処分がなされている場合、近隣建物の所有者等の法律上の利害関係者は、建築審査会に行政不服審査法に基づく不服審査請求をすることができる場合があります。
また、建築審査会の裁決に不満がある場合には、地方裁判所に、建築確認処分の取消訴訟を提起することができます。

2 民事法上の対応

(1)受忍限度論

日照阻害が、私法上違法と評価される場合には、加害建物の建築主や施工者に対して、工事の差止めや損害賠償を請求することができます。
どのような場合に日照阻害が違法となるかという点については、裁判例上、社会生活上一般的に被害者が受任する限度を超えた場合に違法になると理解されています(受忍限度論)。

受忍限度の判断においては、(1)日照被害の程度、(2)地域性、(3)加害回避の可能性、(4)被害回避の可能性、(5)加害建物の用途、(6)加害建物の行政上の規制に対する適合性、(7)先住関係、(8)交渉の経緯等の事情を総合考慮して判断されます。

(2)工事の差止め請求

日照阻害が違法であると評価される場合、被害者は、自身が所有する建物の所有権に基づく物権的請求権、又は、人格権侵害を理由として、加害建物の建築工事の禁止、建築物の設計変更、建築物の一部撤去等の差し止め請求をすることができます。

この場合、迅速な手続きの利用のため、仮処分の手続を利用することが一般的であるとされています。
また、工事の差し止め請求を求める場合、通常、損害賠償請求を行うよりも、強い違法性が必要であると考えられています。

(3)損害賠償請求

日照阻害により損害を受けた被害者は、加害建物の建築主や施工者に対して、不法行為に基づく損害賠償を請求することができる場合があります。
この場合、何を損害として捉えるかということが問題となりますが、日照阻害による物件価格の下落額という財産的損害や、日照阻害により被った精神損害についての慰謝料を請求することが考えられます。

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